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糸がゼニア生地に織られていくまで

糸、および糸から織られる生地には、様々な種類があります。

衣料品に使用される代表的な織物には、「綿織物」「毛織物」の二つがあります。
「綿織物」とは、綿糸を使用した織物の総称のことで、肌触りがよく吸湿性に富む、などの特長があります。
「毛織物」は、羊やカシミヤなどの獣毛を原料にして作った糸で織ったもの。保温性、弾力性があり、伸縮性に富んでいます。

これらの織物を構成している「糸」は、「梳毛糸(そうもうし:ウーステッド)」と、「紡毛糸(ぼうもうし:ウーレン)」の2種類があります。
「梳毛糸」とは、短い繊維を取り除き、長い繊維だけをそろえて撚りをかけて作る糸のことを言います。糸表面は均一に固く締まり、滑らかで光沢感があります。
「紡毛糸」のほうは、短い繊維同士を撚りあわせて作る糸です。太さは均一でなく、梳毛糸に比べて撚りが甘いため、起毛しやすく暖かみがあるという特徴があります。

また、これらの糸には、原毛の繊維を取り出し、撚って作った「単糸(たんし)」と、単糸を2本組み合わせて撚った「双糸(そうし)」の2種類あります。この糸の使い方や組み合わせ方、織り方でさまざまな生地ができあがるわけです。染色についても、「先染め」か「後染め」かで異なってきます。「先染め」とは、先に糸を染めてから織ることをいい、「後染め」とは織ってから生地を染めることを言います。

織り方では、すべての生地の基本となるのが、「平織り(ひらおり)」「綾織り(あやおり)」「繻子織り(しゅすおり)」の3つです。

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「平織り」は、縦糸と横糸を交互に交差させて織った最もシンプルな織り方です。次に「綾織り」は、横糸上に縦糸2本(または3本)を、横糸下に縦糸1本を交差させて織ります。この場合、糸が交差する点が裏側に斜線状になるのが特徴です。最後の「繻子織り」は、縦糸と横糸5本以上を使い、縦糸(または横糸)を長く表面に浮き立たせ、光沢感とボリューム感をもたせる織り方です。

では、これらの織り方で織られた生地の柄には、それぞれどのようなものがあるのでしょうか?
まず「平織り」の代表的なものには、ギンガム、マットウースやポーラなどが挙げられます。
ギンガムは、先染めの糸を組み合わせて格子状やストライプ状に織った綿織物で、カジュアルシャツやパジャマなどに向いています。マットウースとポーラは、先ほど説明しましたように、長い繊維をそろえて撚った「梳毛糸(ウーステッド)」を使って織られた毛織物。どちらもスーツ生地として使われていますが、マットウースは、奥行き感のある表情と柔らかさが特徴なのに対して、ポーラは、通気性がよく、手触りもさらりとしていることから、夏用生地として使用されています。

次の「綾織り」には、サージ、デニム、ギャバジン、ツイード、サキソニーなどがあります。サージは、生地の表面が滑らかで肌触りがよいため、制服やスラックスなどに最適。インディゴに染めた糸を使って織った厚めの生地のデニムは、ジーンズでお馴染みです。ギャバジンは、光沢のあるしなやかな感触が特徴で、スポーツ・ウエアやコートの生地としてよく使われています。ツイードはアイルランド生まれのざっくりとした風合いの厚手の毛織物で、優れた保温性があります。サキソニーとは、オーストラリア産の羊毛を使い、綾織りまたは平織りした生地にメルトン加工(※)をしたもので、温かみがあります。

最後の「繻子織り」には、サテン、ドスキンがあります。サテンは表面のつややかな光沢感が特徴的で、おもに婦人服に。ドスキンは、梳毛糸(ウーステッド)を使って緻密に織り上げられたなめらかな風合いの毛織物で、モーニングや礼服に使用されています。

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※メルトン加工
粗めにざっくりと織った生地を、毛同士を絡ませて縮め(フェルト化)たあと、表面の毛羽立った毛を押さえて整える加工のこと。

ゼニアでも同様に、さきほどの「単糸」「双糸」と、「先染め」「後染め」、そして3つの基本の織り方との組み合わせやバリエーションで各レーベルの生地が作られていきます。その中でも特徴的なものをご紹介する前に、ゼニアでの生地が作られるまでの工程(先染めの場合)をご説明します。
まずはじめに、原毛から、短い繊維の「カーディッド(またはウーレン・紡毛)」と長い繊維の「ウーステッド(梳毛)」を選別し、それぞれの繊維を撚り合わせて糸を作ります。それから、糸の太さを均等に引き伸ばし撚りをかけ、「単糸」「双糸」をさらに作ります。
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その次に、ゼニアならではのコントロールシステムを導入した機械で、染料が糸に均等に行き渡るよう、染色していきます。織る前に糸を染めるので「先染め」というわけです。
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そして、できあがった糸を織機に組んでいきます。具体的には、目的の柄を織るために必要な縦糸の本数、長さや張力を揃えて織機の横棒に巻き付けるという工程です。その際に、ストライプやチェック柄など、縦糸に色の違う複数の糸を使う場合は、デザイン通りに縦糸を配列する柄組の作業が必要となってきます。
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それから、織り上げたい柄や生地にあわせて糸の組み合わせや織り方を選び、織機で織っていきます。
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さらに、できあがった生地は、1メートルごとに品質チェックを行い、不完全な箇所を修復していきます。
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最後には軟水で、生地を洗い、その生地ならではの風合いを引き出し、耐久性を与えます。軟水とは、ミネラル成分の含有量が少ない水のことです。ミネラル分の多い硬水と比べ、生地の風合いを柔らかく保つ性質があります。(詳しくは、「水の品質とゼニア生地の品質のかかわりについて」を参照ください。
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生地によってはさらにこの後、それぞれに必要な作業が発生する場合もあります。
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ゼニアの生地は、先に述べた織り方を組み合わせ、上記のような工程を経て作られています。ゼニアの代表的な「平織り」の生地には、トロピカルが挙げられます。

【トロピカル】
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また、綾織りと繻子織りを組み合わせ、シャドーストライプなどのお洒落な柄が特徴的なのが、エレクタとトロフェオです。織り方によっては、生地の裏と表の糸の走らせ方をまったく変えているので、下の画像のように、同じ生地でも、裏と表でまったく違った表情のものになっています。どちらも、柄が薄い上方が表側で、濃く出ている下方が裏側になります。

【エレクタ】
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【トロフェオ】
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このような表裏の表情変化は、まさにゼニアならではの生地の特徴で、品質へのこだわりでもあります。また、光の当たり方によって、異なる柄に見えるように設計されていることも、特筆すべき点であるといえます。

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