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ゼニアスーツの生地の選び方

Q:ゼニアでスーツを仕立ててもらいたいと思っています。せっかくの機会なので少しでも良い生地で仕立ててほしいと思い、トラベラーとエレクタの2つに絞り込んだのですが、なかなか決められません。より良い生地は、どちらなのでしょうか。

A:どんな生地が「良い生地」か

zegnalab26_img01「良い生地」はどのような生地を指すのか、まずはそこから考えてみましょう。
生地の品質のレベルを示す数々の表示の中でも、よく知られているのが「スーパー表示」です。これはウールの繊維の平均的な太さを示すもので、ウール以外の繊維、たとえばアンゴラやカシミヤなどの獣毛、コットンやシルクなどの天然繊維、ポリエステルなどの化学繊維に使われることはありません。

細い原毛の繊維を使うことで、文字通り「繊細」で手触りのいい高品質の糸が生まれます。当然、この繊細で高品質な糸を織り上げれば、高品質な生地になります。一般的に「生地の品質が高いほど、スーパー表示の数値が大きくなる」と言われるのは、こうした理由があります。

しかし、このスーパー表示が、ゼニアの生地には付けられていません。それは、「繊維の細さだけで生地の品質が決まるものではない」という、ゼニアの考え方によるものです。生地の品質をはかる要素は、単位面積当たりの糸の本数や、織り方、生地に織り上げた後の仕上げなどさまざまなものがあり、これらを総合的に捉えて決めるべきだ、とゼニアでは考えているのです(詳しい解説はこちらです)。

生地の特徴を知ることが、選び方のコツ

素材だけで生地の品質を決めるのではなく、出来上がった生地を総合的に判断する。ゼニアのこうした考え方を踏まえた上で、「トラベラーとエレクタでは、どちらがより良い生地か」というお話に戻りたいと思います。まずは、それぞれのレーベルの特徴やコンセプトについてご説明しましょう。

トラベラーの生地の特徴は、何と言ってもシワになりにくいこと。「シワができても、ハンガーに一晩掛けておけば取れる」と言われるように、シワができた場合でも元に戻りやすいのです。特に長時間の移動や出張が多いビジネスマンは、シワになりにくいこの生地を高く評価しています。レーベルが生まれてからずっと秋冬物の生地のみだったトラベラーですが、2014年には春夏物も加わりました(こちらで詳しく説明しています)。

一方、ゼニアのエレクタは、オーダーメイド専用のレーベルです。ゼニアには、オーダー用と既製品用の2種類の生地があります。トラベラーを例に取れば、オーダー用のトラベラーと、既製品用のトラベラーがあるということです。しかしエレクタに関しては、既製品用の生地はありません。既製品には比較的オーソドックスな柄が好まれますが、エレクタは「個性的な色柄でオーダースーツを創りたい」という人たちの要望にかなったものが多くそろっているのです。
また、エレクタの色柄の生地には、「混合織り」という織り方で作られているものがあります。「混合織り」は、複数の織り方で1つの生地を作る方法のことで、柄が浮き出るような仕上がりが特徴。一般に「混合織り」を施すと生地の安定性が損なわれ、仕立てた服が型崩れを起こしたり、全体のラインに響いたりしがちです。しかしエレクタではやや太めの糸を採用し、しっかりした織り方で生地に仕立てているので、混合織りでも型崩れしにくく、服のシルエットに影響することも少ないのです(こちらで詳しく説明しています)。
このように、トラベラーとエレクタの生地の特徴は、まったく異なるものです。トラベラーやエレクタに限らず、ゼニアの生地はどれも、まず最初に「こういう特色のある生地を作りたい」というコンセプトが考案されます。そしてその実現のために最も適した織り方や素材を用いて、生地が作られていくのです。

冒頭でスーパー表示について触れましたが、ゼニアの生地の中には、Super150’sに匹敵する細い原毛を使って作られているものもあります。それが、ゼニアの秋冬物の代表的なレーベル「トロフェオ」です。
「トロフェオ」に使われているのは、繊維の平均直径16ミクロン以下という非常に繊細な原毛です。このような極細の糸をそのまま使うと生地の耐久性に問題が起こるため、繊維をしっかり撚り合わせて糸を作ります(この糸は「単糸」と呼ばれます)。この単糸をさらに2本撚って糸を作り(この糸は「双糸」と呼ばれます)、生地を織り上げるのです。トロフェオの生地では、双糸を経糸に、単糸を横糸に使用していますが、これは柔らかくしなやかな単糸と、光沢があり丈夫な双糸という、両方の特徴を活かすための方法です。この織り方で作られたトロフェオは、丈夫さと柔らかさ、光沢感を併せ持つ生地になっています(こちらに詳しい説明があります)。

これまでみてきたように、ゼニアの秋冬物のレーベルだけをとっても、

  • シワになりにくく、シワがついてもとれやすい「トラベラー」
  • 個性の強い柄を揃え、しっかりとした厚みのあるオーダー用生地「エレクタ」
  • 極細の繊維で織り上げられ、ゆたかな光沢と高級感を持つ「トロフェオ」

のように、さまざまな個性と特徴を持つ生地のバリエーションがあります。

それぞれの生地の特徴を踏まえると、基本的にお勧めするのは、

  • 長時間の会議や出張などが多い方には「トラベラー」
  • 厚みとハリのあるしっかりとした生地で冬のスーツを仕立てたい方には「エレクタ」
  • ワンランク上の贅沢なおしゃれを楽しみたい方には「トロフェオ」

といった組み合わせです。
とは言え、最も大切なのは、「お客様自身が納得できる生地」を選ぶこと。すなわち、お客様に似合う色柄、着心地、好み、仕立てたいスーツを着る場や季節との相性などから総合的に選ぶことが「良い生地選び」のコツなのです。

それぞれの生地の特徴がつかめない、生地の選び方がわからないという方は、テーラーにご相談ください。優秀なテーラーなら、「お客様それぞれのご要望と着用シーンに最も適した良い生地」を勧めてくれるはずです。
今回のご質問はトラベラーとエレクタという秋冬向け生地に関するものでしたが、春夏物についても同じことが言えます。「トロフェオ春夏物」「トラベラー春夏物」「クールエフェクト」「SHANG」などが春夏向けの代表的なレーベルですが、まず「どんなスーツを着たいか」「どのシーンで着るか」を考え、それに適した生地を選んでいくのが最善と言えるでしょう。

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