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ゼニアはなぜスーパー表示を行わないか

糸や生地の品質を示す国際的な表示基準として「スーパー表示」というものがあります。しかし、ゼニアスーツの生地にはスーパー表示が使われていません。なぜゼニアはスーパー表示をしないのでしょうか?

スーパー表示とは
まず「スーパー表示」について説明します。
スーパー表示は生地を織り成すウール原毛の、繊維の平均直径を基準にした表示です。国際羊毛繊維機構(IWTO)によって規定された、ウールの品質に関する国際的な基準で、適用されるのはウールだけです。ポリエステルなどの化学繊維、シルクのような天然繊維、天然の獣毛でもカシミアやアンゴラ、モヘアなどのウール以外には使われません。

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ウールでは、原毛の繊維が細ければ細いほど、手触りがよく品質のいい糸ができます。高品質な糸ができれば、それを使って織りあげた生地の質も高まります。つまり、スーパー表示の数字が高ければ高いほど、細い繊維を使用した高品質な糸であり、品質の高い生地であるということになります。

この「スーパー表示」をゼニアスーツの生地に用いない理由は、ゼニアの生地の品質に対する考え方に関係しています。

ゼニアは、生地の品質を繊維の細さだけで決定されるものだとしていないのです。
繊維の細さはもちろん重要なポイントですが、それ以外の糸の密度(単位面積当たりに何本の糸を使用しているか)、織り方、織った後の仕上げ方法など、様々な要素を総合的に勘案して決定されるものだとゼニアは考えています。

糸の密度と生地の関係

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一例として、「糸の密度」という観点で生地の質を捉えてみましょう。
糸の密度とは、例えば1センチメートル四方の生地に糸が何本使われているか、ということ。一般的には糸の密度が高ければ高いほど、目の詰まった生地となり、密度が低ければ織り目に余裕のある生地だということになります。これを、織り密度とも呼びます。

仮に、Super120の糸が1センチメートル幅に100本使われている生地があるとしましょう。次に、Super120の糸を20本とSuper100の糸が80本使われている生地があるとします。
この2つの生地は、どちらも「Super120」というスーパー表示で表すことができるのです。
「Super120」という表示だけみると、Super120の糸でのみ構成された生地かと思ってしまうのですが、実際は一部にでもSuper120が使われていれば「Super120」と表すことができるのです。

しかし、先ほどの例で初めに挙げたSuper120の糸を100本使った生地と、2番目に挙げたSuper120を20本とSuper100を80本使った生地では、織り密度が異なります。密度が違うので、手触りや生地の張りも異なります。こうした違いがあるにも関わらず、この2つの生地を同じように「Super120」と表示してしまうと、混乱が生じる可能性があります。

異なる糸を組み合わせて表現されるゼニアの生地

しかし、だからと言って「太さの異なる糸を組み合わせて生地をつくるのは、避けるべきだ」ということにはなりません。太さの異なる糸で生地を織るのは、生地に柄や特徴をもたらすために必要なことだからです。
ゼニアのスーツ生地では、同じレーベルでも様々な柄のバリエーションが存在します。その柄は、糸の太さや織り方を変えてつくり出されます。生地ごとに使われている糸の太さが異なる場合がありますし、さらに柄によっては異なる太さの糸を組み合わせるケースがある、ということです。

例えばシャドーストライプとヘリンボーンを組み合わせて、光の角度や当たり加減で柄が浮き出て見えるような繊細な柄もあります。こうした柄は、太さの異なる糸を組み合わせることによって初めて織れるものなのです。
こうした柄の例を見てみましょう。

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これは、2013年の秋冬ものの「トロフェオ」です。1.0cm間隔のストライプの中に、マイクロヘリンボーン柄が織られています。見る角度や光の加減でヘリンボーン柄が浮かび上がったり、シルバーストライプがはっきりと浮き出たりする生地です。このように複雑で繊細なニュアンスのある柄を表現するためには、織り方や糸の太さを変える必要があります。

また、中には生地の表と裏で糸の出方がまったく異なる生地も生まれます。その一例が、こちらの写真です。

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右が表で、左が裏です。表の柄やツヤ感を表現するために特別な織り方をしているため、裏と表でまったく異なる柄になっているのです。

ここまでの話をまとめましょう。
スーパー表示は糸の繊維の細さを示す基準です。しかし、ゼニアの生地の品質は繊維の細さだけでは決まりません。ゼニアのスーツ生地特有の細やかな柄や光沢感を表現するには、太さの異なる糸を使って織ることが必要です。その場合、繊維直径を基準にしたスーパー表示にとらわれてしまうと、混乱を招いてしまいます。

ならば、初めからスーパー表示をしない方が混乱も招かずに済み、より自由に太さや種類の異なる糸を組み合わせて柄やツヤ感を表現していくことが可能となります。 これは、画一的にスーパー表示で生地の品質を決めることなく、より自由な観点でより優れた生地を生み出していこうとするゼニアの誇り高い精神の現れといえるでしょう。 こうした理由で、ゼニアはスーツに使う生地にスーパー表示を適用していないのです。

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