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ゼニアスーツの裏地について

ゼニアをはじめ、スーツのジャケット、スラックスには必ずといっていいほど、裏地が付けられています。
裏地には、
①着脱をする際に滑りをよくして動きをスムーズにする
②汚れや変色など、汗による表地への影響を防ぐ
③静電気を防ぐ
④湿気を吸収したり放出したりする
⑤柔らかな表地の型崩れを防ぎ、スーツの形態を安定させる
⑥人体との摩擦や、脱ぎ着するときの当たり・衝撃などから、表地を保護する
⑦表地が薄い場合、内側が透けて見えるのを防ぐ
⑧縫い目などを隠し、裏側の見た目を美しくする
といったような役割があります。
特に、細く柔らかい糸から織りあがっているゼニアのスーツ地にとって、裏地の存在なくしては、そのシルエットを美しく保つことさえ難しくなるでしょう。ふだんあまり意識されることのないスーツの裏地ですが、ゼニアスーツを文字通り裏から支える、重要な役割を持っています。

一般的に、この裏地には、これまで様々な素材が使われてきました。例えば、天然繊維の絹、絹に似せて作られた再生繊維のレーヨン、半合成繊維のアセテートなどが挙げられます。そのなかでも、現在最も使われているのが、合成繊維のポリエステルと綿花の花芯から採った繊維質を利用した再生繊維のキュプラです。ゼニアの専用裏地にもキュプラが採用されています。

ポリエステルは、摩擦に強く、シワになりにくいのが特徴。一方、キュプラは、吸湿性が高いので、静電気が起きにくいことから、裏地として多用されています。レーヨンはキュプラと同質で、糸一本の繊維がキュプラより太いのが特徴です。アセテートは、吸湿性がキュプラの半分以下となり静電気も起きやすくなります。また、絹は、レーヨンやポリエステルが登場する前まで裏地としてよく使用されていましたが、摩擦に弱く、シワになりやすいため、現在ではほぼ和装のみにしか使われていません。

これらの繊維の、「水分量」「摩擦刺激性」について比較したものを、図やグラフを用いて見てみましょう。

下記は、各繊維の水分量を比較したものです。下記表から、キュプラは絹並の吸湿性の良さがわかります。

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次の表からは、キュプラの肌への摩擦刺激が最も少ないことがわかります。

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現在、裏地として使われることの多いポリエステルとキュプラですが、その特性は大きく異なることが上記のグラフだけでも分かります。
では次に、ポリエステル100%のものとキュプラ100%のものを比べてみましょう。ポリエステルはキュプラに比べ、吸湿性が少ないので、静電気やムレ感が起こりやすく、風合いも固めです。そして、摩擦に強い分、肌への刺激が強くなります。

次のグラフは、ポリエステルとキュプラの吸湿・放湿量を比較したものですが、キュプラの方が吸湿性・放湿性ともに、ポリエステルよりも高いことがわかります。
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キュプラは、ポリエステルよりも、衣内湿度を低く保ち、ムレ感が起きにくい素材であるといえます。

また、次のグラフからは、安静時でも運動時でも、キュプラの方がより衣服内湿度が低いことがわかります。
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静電気発生量についても、キュプラの方がより制電性があることがわかります。
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以上のことから、キュプラは風合いもしなやかで肌に対しての摩擦による刺激が少ないうえに、静電気が起きにくいため、繊維にもまつわりかずに衣服のシルエットを保て、より裏地として最適な素材だということがわかります。さらに、光沢性があり、シルク並の発色の良さがあるという見た目でも、ポリエステルよりも高級感を演出しやすいといった特性もあります。実際に、スーツをはじめ、高級衣類の裏地として、または婦人用肌着などに使用されています。

以上のようなことから、ゼニアでもキュプラを採用し、綾織りのしっかりとした裏地を使っています。コシとハリがあるしなやかな裏地で、柔らかい服地のゼニアスーツでもしっかりと支え型くずれを起こすことなく美しいシルエットを維持しているのです。

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